分類 > 社会
地域研究の課題と方法[実証編]
アジア・アフリカ社会研究入門
A5判・373頁・定価2970円(税込)
2006年11月発行
ISBN978-4-8301-1084-9
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
北川隆吉監修/北原淳・竹内隆夫・佐々木衞・高田洋子編著
今世紀に入り世界の中心が欧米からアジア・アフリカへシフトしている。各地域の環境や構造から課題を浮かび上がらせ、日本が各地域の将来といかに関わるべきかを提案し、アジア・アフリカ地域研究の重要性を証明する。【理論編】を証明する。
[戻る]
目次
刊行の辞
―― アジア・アフリカ地域研究の発展・拡大をめざして ――
序 章.地域研究の課題と方法(実証編)の構成と要点
北原 淳
1.はじめに:地域の連関性と専門的・学際的方法
(1)地域の概念
(2)地域研究の方法と地域社会の構造および要因
2.一国的、国内的「地域」の社会環境のベース
(1)経済発展
(2)政治的民主化
(3)教育改革
(4)宗教の変化
(5)開発と社会変動
(6)生態環境の変化
3.広域的・狭域的な「地域」の社会構造分析とその課題
(1)家族、ジェンダー
(2)地域社会の変化
(3)階層の構成
(4)ナショナリズムとエスニシティー
4.アフリカの問題及びアジア・アフリカ研究提言
5.むすび
第1章.東南アジアの地域社会の変動
北原 淳
1.はじめに:ある政治集会に見る民主化の進展
2.東南アジアの歴史的変化
3.現代の社会変動の特徴
:開放的な経済開発による都市=農村関係と生活様式の変化
4.社会変動による格差と差別の問題
:エスニシティ問題を中心に
5.まとめ
第2章.グローバル化と産業再編
藤田和子
1.はじめに
――東・東南アジアの経済発展をどうとらえるか
2.アジアの開発と工業化の軌跡
(1)原動力としての工業化
(2)輸出の牽引力
3.ベトナムの事例に見るグローバル化と経済成長
4.おわりに
――地球規模の産業再編とアジア
第3章.巨大都市の出現
松薗(橋本)祐子
1.アジアにおける都市化の特徴
(1)急速な都市成長
(2)巨大都市の形成
(3)減少しない農村の人口
2.経済成長とアジア都市
(1)過剰都市化
(2)インフォーマル部門の拡大
(3)スラム・スクォッターの成長
(4)都市問題への対応と過剰都市化からの脱却
3.グローバル化とアジア都市
(1)新中間層の成長と情報化
(2)都市空間構造の変化
(3)グローバル化と都市貧困問題
(4)巨大都市と環境問題
4.アジア巨大都市の今後の課題
第4章.現代中国におけるグローバル化と構造転換
――「基層構造」パラダイムからみた農村−都市連関構造の展開 ――
佐々木衞
1.はじめに
2.中国における農村―都市関連の構造
(1)「基層構造」パラダイム
(2)中国農村の社会構造の変容
(3)現代中国農村の社会構造的特徴をどのようにみるか
3.「基層構造」パラダイムから見た現代中国社会の構造転換
4.おわりに
――東アジアのグローバル化と中国社会の構造転換の特徴
第5章.東アジア・東南アジアの家族変動
竹内隆夫
1.はじめに
2.家族形態
3.結婚・離婚
4.相続・扶養
5.おわりに
第6章.韓国の家族・ジェンダーの「伝統」と「変容」再考
――慶尚北道キョンサン市における高齢者ライフコース調査より
山根真理
1.はじめに
2.調査の概要
(1)調査方法
(2)調査地の概要
(3)調査対象者のプロフィール
3.高齢者のライフコース
(1)成人期への移行
(2)結婚
(3)親との関係
(4)産育
4.おわりに
第7章.変容するアジア家族とジェンダー
――5地域比較調査から
落合恵美子
1.はじめに
2.理論枠組と分析枠組
3.調査の概要
4.地域横断的概観
(1)人口学的状況
(2)ジェンダーとライフコース
(3)家族・世帯・親族
5.知見と考察
(1)育児ネットワークと女性のライフコース
(2)主婦化は起こるか
6.おわりに
第8章.階層・生活様式
船津鶴代
1.はじめに
(1)東アジアの階層構造変動への関心
(2)本章の課題とアプローチ
2.東アジアにおける産業化と「開発主義」
(1)東アジアの産業化と階層構造
(2)「開発」の時代:「開発主義」とそのイデオロギー
3.グローバル化時代の到来
4.東アジアの階層認識と階層分析の課題
5.まとめ
第9章.政治と民主化
玉田芳史
1.アジアの政治
(1)民主主義国の分布
(2)いつ民主化したのか
2.民主化をどう眺めるのか
3.アジアの民主化
(1)上からの民主化
(2)下からの民主化
(3)社会主義国の民主化
4.今後の展望
(1)足踏みしている国
(2)民主化と無縁な国
(3)おわりに
第10章.アジアにおけるナショナリズムとエスニシティ
――フィリピンを事例として
木下 昭・蘭 信三
1.はじめに
2.ナショナリズムの起源と植民地支配
(1)ナショナリズムの起源
(2)スペインによる植民地化と独立戦争
(3)アメリカの植民地化
3.国民統合政策
4.エスニシティとエスノナショナリズム
5.国境を越えるナショナリズムとエスニシティ
6.おわりに
第11章.開発と社会変動
高田洋子
1.はじめに
2.「開発」と「社会変動」を考える
3.フランス領コーチシナにおける開発と社会変動
(1)植民地支配下の開発政策
(2)植民地開発の矛盾と社会変動
4.ドイモイ時代のメコンデルタにおける開発と社会変動
(1)農業におけるドイモイ政策の開始
(2)1990年代以降の農業変化
5.むすびにかえて
第12章.ダイナマイト漁の政治生態誌
赤嶺 淳
1.はじめに
2.地球環境主義の台頭
3.ダイナマイト漁
4.マンシ島漁民によるダイナマイト漁
5.ダイナマイト漁をめぐる政治生態
第13章.教 育
森下 稔
1.アジア教育のとらえ方
2.日本におけるアジア教育研究の動向
3.国民統合と国家開発のための教育
(1)戦後アジアの教育政策の特質
(2)タイ教育における国民統合
(3)インドネシア教育における多様性の中の統一
(4)多民族国家マレーシアの教育と国民統合
(5)ベトナム高等教育の発展
(6)少数民族教育の事例
4.教育を受ける権利の保障
(1)Education for All(EFA)
(2)EFA目標達成後の教育問題
5.グローバリゼーションと教育改革
(1)教育へのグローバリゼーション・インパクト
(2)アジアにおける高等教育の新潮流
(3)タイの教育改革
6.アジアにおける多文化教育・市民性教育の展望
第14章.宗 教
服部美奈
1.はじめに
2.東南アジアの宗教
3.地域研究の視点
4.インドネシアにおけるイスラーム
(1)イスラーム・ジェンダー論と
ムスリム女性アイデンティティ
(2)イスラーム寄宿学校プサントレンの変容と展開
(3)変化するムスリム知識人像とイスラーム思想の成熟化
5.イスラーム研究の現在と今後の課題
6.おわりに
―― 宗教を読み解く視点と地域研究
第15章.アフリカにおける「エスニック紛争」
モザンビーク北部におけるエスニック集団形成過程を通じての考察
舩田クラーセンさやか
1.はじめに
2.モザンビーク北部における上位集団の形成とその頓挫
(1)モザンビークにおけるエスニック集団とは?
(2)コミュニティ集団から上位集団へ
(3)植民地権力による軍事制圧と上位集団形成の頓挫
(4)植民地行政と新しい集団区分「部族」の創出
3.ナショナリズムの形成と紛争のエスニック化
(1)解放闘争期におけるナショナリズムの形成と
植民地権力の分断戦略
(2)独立政府によるエスニシティの否定と紛争勃発
(3)紛争後の複数政党制選挙における「エスニックな衝突」
4.おわりに
第16章.アフリカ地域研究とHIV/エイズ
牧野久美子
1.はじめに
2.アフリカにおけるHIV/エイズ流行の状況
3.なぜアフリカに集中するのか
―― 生物学的要因、社会的要因、経済的要因
(1)生物学的要因
(2)社会的要因
(3)経済的要因
4.HIV/エイズとアフリカ地域研究の課題
:結びにかえて
第17章.アジア・アフリカの将来と日本
――21世紀世界の解明と地域社会研究へのささやかな提言――
北川隆吉
1.はじめに
2.二つの注目すべき会議
―― 現在日本で何が起りつつあるか
(1)アジア・サイエンス・パーク=(ASPA)第9回大会
(2)グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ
3.シンク・グローバリー、アクト・ローカリー
(グローバルな視点にたって足元から行動しよう)そしてシン
ク・ローカリー、アクト・グローバリー(足元を見直し、世
界視野での交流・貢献を考えよう)
―― 新しいアジア・アフリカへの視座の創造にむかって――
(1)相互依存、地域安定への貢献
(2)相互交流―相互依存(相互浸透)の重要さ
(3)グローバリゼーションと「近代」の相関
――積極的・前進的意味づけの重要性――
(4)グローバリゼーションと「近代」(社会)の認識
4.おわりに
―― 臆せず、しかし誠実に知的遺産に挑み、
新しい研究の地平を拓くこと
5.補記
索 引
[戻る]
当社は、大学・専門学校などの教科書・参考書を主に出版している出版社です
人文・社会・自然科学・教育・保健体育・芸術に至るまで、多種多様な書籍を出版しています
また、学術研究論文や歌集など自費出版も手掛けています
書店・取次店様専用の
注文ページです
こちらから
ご注文ください
あなたの原稿を
本にしてみませんか?
教科書企画・自費出版
受付中!!
簡単な入稿からの
手順を紹介しています
お気軽にご相談ください
画像データの
入稿方法などを
紹介しています
ご一読ください