分類 > 哲学・宗教
明治大学人文科学研究所叢書
「哲学的人間学」への七つの視角
A5判・797頁・定価13200円(税込)
2012年03月発行
ISBN978-4-8301-1219-5
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
山口泰司
人間のあらゆる可能性を念頭に、科学哲学一般と霊的哲学の決定的違いに注目しつつ、精神分析学的人間研究の中から、フェアベーンの『人格の精神分析学的研究』をめぐる4つの論文と、当書の出版に際して付した「あとがきと解題」を収録し、人間を哲学的な視点から考察する。
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目次
T 序論
「哲学的人間学」への私の歩み――その回顧的展望
U 宗教哲学の視角より
一 シュリー・オーロビンドの生涯と思想――『神の生命―霊的進化の哲学』の解説
1 はじめに
2 シュリー・オーロビンド略伝
3 『神の生命』解説
二 シュリー・オーロビンドの『神の生命――霊的進化の哲学』の骨格と概要――オーロビンド哲学重要用語集
1 はじめに
2 用語解説―目次
3 注記
4 用語解説
(T)絶対者〈ブラフマン〉の本質
(U)絶対者〈ブラフマン〉の力動的原理
(V)絶対者〈ブラフマン〉の力動的展開――退縮と進化
(W)絶対者〈ブラフマン〉の精神(=〈超精神〉)の顕現〈神々〉の精神(=〈上位精神〉)の顕現
(X)神の存在力〈シャクティ〉と、神の生気〈プラーナ〉神の魂〈プルシャ〉と、神の自然〈プラクリティ〉
(Y)〈意識〉の進化(其の一)、没意識から生気へ
(Z)〈意識〉の進化(其の二)、精神から超精神へ
([)〈大いなる自己〉および〈大いなる意識〉の諸相
(\)神の魂〈プルシャ〉の進化
(])〈霊的進化〉の推進母体、〈チャイティア・プルシャ(心霊よりなる自己)〉
(Ⅺ)〈魂〉Soulと〈霊魂〉Spirit
(Ⅻ)〈知識〉の諸相
(13)〈三重の変容〉
三 シュリー・オーロビンド著『大母神、ザ・マザー』(全訳)
四 S.K.マイトラ著『入門、シュリー・オーロビンドの哲学』(全訳)
訳者解題
第一章 一般原理
1 哲学は二つの否定を避けて通らなければならない
2 上昇の運動と降下の運動――進化Evolutionと退縮Involution
3 哲学とヨーガが出会うところ
4 「世界=プロセス」の、「いかに」と「なぜに」
(a)純粋実在者
(b)「大母神、ザ・マザー」the Mother
5 超精神への移行
第二章 超精神と「心霊よりなる自己」Psychic Being
1 超精神
2 超精神と精神
3 超精神と直観
4 超精神と上位精神
5 「心霊よりなる自己」すなわち「チャイティヤ・プルシャ」Chaitya Pursha
第三章 降下すなわち退縮
1 「無知」への飛び込み
2 「無知」の本質
3 「無知」の「起源」
4 「霊魂」の特別の降下形態――化身
第四章 上昇すなわち進化
1 進化のプロセスの全般的性質
2 三重の変容
3 「超精神」への上昇
第五章 「叡知よりなる自己」と神的生活
1 叡知よりなる自己
2 神的生活
結語
V 芸術論の視角より
イギリス近代音楽試論――その霊的ロマンティシズムの展開
はじめに
目次 300
1 イギリス音楽の保守的革新性
2 ロマンティシズムとスピリチュアリズム
3 「母なるもの」への憶い、エドワード・エルガーEdward Elgar(1857-1934)
4 漂泊の魂、フレデリック・ディーリアス Frederick Delius(1862-1934)
5 巡礼の魂、ヴォーン・ウィリアムズVaughan Wiliams(1872-1958)
6 聖霊の使者、グスタヴ・ホルストGustav Holst(1874-1934)
W 科学と宗教の対話より
フリチョフ・カプラ徹底討議『われら宇宙に帰属するもの』の立場
はじめに
1 「目次」と「予備的考察」より
2 「訳者あとがき」より
X 科学哲学の視角より
一 デネットの『解明される意識』の立場
はじめに
1 デネット・フー?
2 意識の多元的草稿論
3 デカルト主義的二元論への批判
4 心の哲学の現況
5 機能主義的唯物論の提唱
6 意識の進化
7 認識論のアポリア、「クオリア」の謎
8 「自己」と「世界」の、ヴァーチュアル・リアリティ論
9 デネットとポスト・モダンの哲学
10 デネットとメルロー・ボンティの哲学
11 デネットと「中観」の哲学
12 今後の展開に期待して
二 デネットの『ダーウィンの危険な思想』の立場
はじめに
T
1 『解明される意識』の立場とのつながり
2 「バベル図書館」と「アルゴリズムのプロセス」
3 「賢い母なる自然」――アルゴリズムとクレーンの重層的組み立て
4 「人間性の由来」と「生成評価の塔」
5 「科学」と「徳性」の行くすえ
U
『ダーウインの危険な思想』――生命の意味と進化――(全章のテーマ)
V
1 初期の反応
2 宇宙論的ピラミッドヘの攻撃
3 デザイン集積の原理
4 研究開発用の道具 スカイフックかクレーンか
5 誰が還元主義を恐れているのか
Y 精神病理学の視角より
一 フェアベーンの思想
(1)フェアベーンの『人格の精神分析学的研究』への解題
1 はじめに
2 フェアベーンの生涯
3 「対象関係論」とは
4 「人格における分裂的要因」(一九四〇年)
5 「精神病と精神神経症の、修正された精神病理学」(一九四一年)
6 「抑圧と悪い対象の回帰―特に戦争神経症に言及して」(一九四三年)
7 「対象関係から見た内的精神構造」(一九四四年)
8 「対象関係と力動的構造」(一九四六年)
9 「人格の対象関係論にいたる発展的な歩み」(一九四九年)
10 「人格構造に関する著者自身の見解の発展の概要」(一九五一年)
11 「ある女性患者のいだいた宗教的幻想についての覚え書き」(一九二七年)
12 「一人の生殖器に異常のある患者の分析に見られたいくつかの特徴」(一九三一年)
13 「分析治療中の患者たちに及ぼした国王陛下の崩御の影響」(一九三六年)
14 「精神分析学から見た共産主義の社会学的意義について」(一九三五年)
15 「心理学における必須科目と禁止科目」(一九三九年)
16 「戦争神経症―その本質と意義」(一九四三年)
17 「性犯罪者の治療と更生」(一九四六年)
(2)フェアベーンの「分裂的パーソナリティー」論
1 はじめに
2 分裂的状態
3 自我分裂と分裂的態勢
4 自我分裂と口唇的体内化
5‐a 部分対象もしくは身体器官に向かうオリエンテーションを生み出してしまう傾向
5‐b リビドー的態度のうちに見られる与えることに対する受け取ることの優位
5‐c リビドー態度のうちに見られる体内化的要素
5‐d リビドー的態度のかくれた意味としての対象の空虚化
(3)フェアベーンの「発達的対象関係」論――分裂的状態・抑うつ的状態ならびに神経症的諸状態の対象関係
1 はじめに
2 「精神病と精神神経症の、修正された精神病理学」(一九四一)の慨要
3 分裂的状態(前期口唇期)の対象関係
4 抑うつ的状態(後期口唇期)の対象関係
5 対象関係から見た「移行的段階」の意味
6 神経症的諸状態の対象関係 強迫神経症・妄想症・ヒステリー症・恐怖症
(4)フェアベーンの「基底的・内的精神状況」論
1 はじめに
2 夢
3 最初の解釈
4 次の解釈
5 第三の解釈
6 第四の視点
7 結語
(5)フェアベーンの「心的外傷」論
1 はじめに
2 アンテ・トラウマ・ストレス・ディスオーダー論
3 「戦争神経症――その本質と意義」(一九四三)
4 「抑圧と悪い対象の回帰――特に戦争神経症に言及して」(一九四三)
5 おわりに
二 アンリ・エーの思想――「意識の病理」と「人格の病理」
(1)ネオジャクソニズム(器質・力動論)
1 『意識』(“La Conscience” 1963, 1960)の立場
2 ネオジャクソニズム(器質・力動論)
(2)意識野の構造解体(意識の病理)
1 睡眠と夢
2 錯乱‐夢幻状態
3 朦朧‐夢幻様状態
4 幻覚‐妄想体験
5 離人体験
6 躁鬱状態
(3)自我の変容から疎外へ(人格の病理)
1 性格異常的自我
2 神経症的自我
3 狂気せる(疎外された)自我
4 痴呆的自我
(4)結語
三 心の成長と発達課題――精神分析学の立場から
1 はじめに
2 口唇期の発達課題
3 肛門期の発達課題
4 エディプス期の発達構造
5 おわりに
Z 現象学的存在論の視角より
メルロー・ポンティの思想
『見ゆるものと見えざるもの』の一章「絡み合い―交叉配列法」をめぐる論考「可視性の謎」
1 はじめに
2 視覚のパラドックスと触覚のパラドックス
3 「全体的部分」としての視覚と触覚
4 身体とその二重性
5 「肉」の二重性と「肉」のナルシシスム
6 可視性のナルシシスム
7 出会われた一般性
8 見えざるもの
補遺一
[ 最先端科学の視角より
アーヴィン・ラスロの思想
はじめに
梗概『叡智の海――物質・生命・意識の統合理論を求めて』
目次 638
第一章 現代における意味のある世界観
第二章 謎と寓話――次に起こる科学のパラダイム・シフト
第三章 現在の謎――概要の一覧
1 宇宙論の謎
2 量子物理学の謎
3 生物学の謎
4 意識研究の謎
第四章 宇宙の記憶を探る
◎自然界の情報場の探究
◎量子真空とは
◎量子真空はどのように情報を生成、保存、伝達するか
第六章 Aフィールド効果
◎さまざまなAフィールド効果
◎結論として……
第七章 生命と宇宙の、起源と運命
◎万物はどこから来たのか――そしてどこへ行くのか
◎地球上および宇宙のなかの生命
第八章 人間の意識と宇宙の意識
◎意識の根源
◎意識に届く、より広い範囲からの情報
◎宇宙そのものの意識
◎不死と転生
補遺二
\ 霊的科学の視角より
グルジ・クリシュナーナンダの思想
はじめに
抄訳『ニュー・エイジとは何か 東西の解釈の違いを超えて』
目次
@ 〈リシたち、マハルシ・アマラ、グルジ・クリシュナーナンダ〉について
A はじめに
第一章 〈天地創造〉
第二章 〈魂〉
第三章 〈時間とサイクル〉
第四章 〈エネルギー〉
第五章 〈次元と密度〉
第六章 〈ホワイト・ホール〉と〈ブラック・ホール〉
第七章 〈太陽たち〉
第八章 〈フォトン・ベルト〉
第九章 〈DNA〉
第一〇章 〈チャクラ〉
第一四章 〈二〇一二年〉
B あとがき
C ライト・チャネルズ・ワールド・ムーヴメント
] 結論にかえて
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人文・社会・自然科学・教育・保健体育・芸術に至るまで、多種多様な書籍を出版しています
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