分類 > 哲学・宗教
哲学者としての歴史家ブルックハルト
プラトン、オウィディウス、ルーベンス、精神史と共に
A5判・893頁・定価9350円(税込)
2014年06月発行
ISBN978-4-8301-1249-2
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
角田幸彦著
学問の深さ、人間性の滋味、全人的な教養の広さを持った歴史家を超えた歴史化たるブルクハルトを、彼を囲む歴史家、哲学者、詩人たちにも目を向けて論じた。これまでのブルクハルト研究書とは一線を画した1冊。ブルクハルト研究の全てがここにある。
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目次
第I部 プラトンとブルクハルトの歴史哲学
はじめに 歴史哲学の概念
第1章 プラトンの歴史哲学
1 ギリシア精神とプラトン
2 ギリシアにおける歴史哲学不在説について
3 ギリシア人の歴史意識
4 ツキュディデスの「歴史哲学」
5 プラトンの歴史哲学の内容――ツキュディデスとの対決――
第2章 ブルクハルトの歴史と哲学
1 歴史哲学者ブルクハルト
2 哲学者ブルクハルト
第II部 精神史的広がりの中のブルクハルト
第3章 ランケ対ブルクハルト
1 ニーブールについて
2 ランケ その全体像
3 ランケのローマ史観
4 ランケのセネカ悲劇発見
5 ブルクハルトとランケ
第4章 ドロイセン対ブルクハルト――プロイセン学派へも目を向けて――
1 ハイデガーも認めたドロイセンの力
2 ドロイセン『ヘレニズムの歴史』
3 ドロイセン『史学綱要』
4 プロイセン学派
第5章 ヘーゲル対ブルクハルト
1 ブルクハルトの哲学性
2 手紙におけるブルクハルトの哲学観
3 ヘーゲリアン・ゴンブリッチのブルクハルト解釈
第6章 シェリング対ブルクハルト
1 その思想と土壌と方向
2 哲学の器官としての芸術
3 芸術哲学の概念
4 美と崇高
5 割りを食ったシェリング
6 シェリングをブルクハルトはどう見たか
第7章 モムゼン対ブルクハルト
1 法制史家としてのモムゼン
2 『ローマ史』のモムゼン
3 モムゼン小伝
4 モムゼンと弟子ゼーク
5 モムゼンの『ローマ史』とそのキケロー貶視
6 モムゼンとブルクハルトの精神史的絆
第8章 ニーチェ対ブルクハルト
1 ニーチェをブルクハルトにつなぐ
2 ニーチェのヘルダーリン解釈
3 『悲劇の誕生』とその周辺
4 ニーチェの講壇哲学の打破――言葉の瑞々しい形象性へ――
5 ニーチェの歴史(Historie)批判とブルクハルト
第9章 オウィディウス対ブルクハルト
1 ブルクハルトに働くオウィディウス
2 オウィディウスの三つの顔
第10章 タキトゥス対ブルクハルト
1 タキトゥスとリウィウス寸描
2 そもそも歴史を問うとは
3 タキトゥスの歴史叙述の一端
4 タキトゥスの「怨恨も党派心もなく……」
5 タキトゥスを愛読したブルクハルト
第11章 ベーク、ラゾー対ブルクハルト――三つのポテンツ(潜在力)による歴史解釈をめぐって――
1 三つのポテンツ
2 ベーク――ブルクハルトのベークとの対決――
3 該博この上ない古典学者ラゾー
4 ラゾーの『歴史哲学の新しい試み』について
第12章 ヒュルマン、ホイジンガ対ブルクハルト
1 はじめに
2 ヒュルマン――ボン大学でのブルクハルトの師――
3 ホイジンガ――オランダ性からスイス・ドイツ人ブルクハルトへの批判――
第13章 トレルチ、マイネッケ、レーヴィット対ブルクハルト――歴史主義をめぐって――
1 はじめに
2 トレルチ
3 マイネッケ
3-1 全体的展望
3-2 マイネッケのメーザー論
3-3 マイネッケのヘルダー論
3-4 マイネッケのゲーテ論
3-5 マイネッケにおける歴史主義とプラトニズムの結合
3-6 マイネッケの「エルンスト・トレルチと歴史主義の克服」論文(1923年)について
4 レーヴィット
4-1 レーヴィットとブルクハルトの反ドイツ
4-2 レーヴィット――ブルクハルトとヴァレリーの絆の発見者――
第III部 ブルクハルト 自己の作品化への道
第14章 ブルクハルトの神学から歴史学への道――教会と教条を脱したキリスト者――
1 はじめに
2 ブルクハルトの家系 父と子
3 ブルクハルトの宗教性とふるさとバーゼル
4 デ・ヴェッテの偉大さ――バーゼル大学神学部の顔――
5 バーゼルのデ・ヴェッテとブルクハルト
6 D. シュトラウスの徹底性
7 教会史家ハーゲンバハの文化史性
8 J. G. ミュラーの比較宗教史的視界
9 他の二人 ベックとシュテヘリン
10 改めてブルクハルトの宗教性
第15章 ブルクハルトにおける旅心、景観愛、美術への問い――『チチェローネ』への道――
1 若きブルクハルト
2 旅と景観とブルクハルト
3 イタリアへの旅
4 景観と景観画
5 『ベルギー諸都市の芸術作品』について
6 美術史家シュナーゼ小伝
7 師にして友シュライバーとブルクハルト
8 『チチェローネ』について
9 課題による芸術
10 美術史家ルモールについて
11 再び課題による芸術について
12 ブルクハルトのミケランジェロ酷評
13 ブルクハルトのレンブラント酷評
14 課題と様式
15 ラファエロ、レオナルド、ティツィアーノについて
16 建築について
17 おわりに
第16章 『コンスタンティヌス大帝の時代』をめぐって
1 キリスト教成立へのブルクハルトの批判的省察
2 幅広い宗教史、社会史という視界
3 神学を先ず選んだブルクハルトとコンスタンティヌス大帝の「関係」
4 コンスタンティヌス以上にディオクレティアヌスへの関心
5 ローマ属州の広い把握
6 精神史家ブルクハルトの力量
7 コンスタンティヌスとは何者であったか
第17章 『イタリア・ルネサンスの文化』をめぐって
1 ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』への道
2 ブルクハルトとアナール派について
3 ブルクハルトとプッキオーニの縁
4 『イタリア・ルネサンスの文化』の分析
4-1 この作品の全体について
4-2 「第1章 工作品としての国家」について
4-3 「第2章 個人の発展」について
4-4 「第3章 古代の復活」について
4-5 「第4章 世界と人間の発見」について
4-6 「第5章 社交と祝祭」について
4-7 「第6章 習俗と宗教」について
4-8 ヴァルザー ――ブルクハルトのルネサンス論批判者――
第18章 『イタリア・ルネサンスの建築』について
1 建築を問うこと
2 本作品の二大区分――建築と装飾――
3 建築
4 装飾
5 改めて全体を論ずる
第19章 『ギリシア文化史』をめぐって
1 ギリシア文化史へのブルクハルトの勉励
2 ヴィラモヴィッツ=メルレンドルフが発した酷評と四人の賞讃
3 『ギリシア文化史』の分析
3-1 哲学と哲学者像
3-1-1 新プラトン派 660 3-1-2 プラトン 661
3-1-3 ストア派 667 3-1-4 エピクロス派 668
3-1-5 キュニコス派(犬儒派) 670 3-1-6 ソクラテス 672
3-1-7 アリストパネス 676 3-1-8 ピュタゴラス 677
3-1-9 ソフィストたち 679
3-2 ギリシアの宗教と神話
3-2-1 僧職制(Priestertum)について 685
3-2-2 神話 688
3-3 ポリス――ポリスの怖さ――
3-4 アルキビアデスへのブルクハルトの関心
3-5 造形芸術(彫刻、絵画、建築)
3-5-1 彫刻 704 3-5-2 絵画 705 3-5-3 建築 706
4 本章を終えるに際して クーランジュ並びにヨハネス・フォン・ミュラーとブルクハルトの縁
第20章 現代史家(19世紀史家)ブルクハルト
1 はじめに
2 ブルクハルトの『世界史的考察』と『歴史的断片』
3 ブルクハルトの自己省察としての歴史
4 19世紀とブルクハルト
5 『世界史的考察』と『歴史的断片』の内容区分
6 『世界史的考察』概要
7 歴史的研究にとっての19世紀の持つ役割
8 革命の時代19世紀(『断片』V)
9 フランス精神とドイツ精神
10 18世紀中葉からのフランスの精神状況
11 ブルクハルトのルソー把握
12 ブルクハルトのロベスピエールとミラボー把握
13 ブルクハルトのナポレオン把握
14 スイスの19世紀
15 ブルクハルトの将来への危機意識
16 ブルクハルトとマックス・ウェーバー
第21章 『ルーベンス回想』までのブルクハルト 60年の歩み
1 はじめに
2 ルーベンスの父と母
3 ブルクハルトのルーベンスとの強い絆
4 ブルクハルトのルーベンス理解をめぐって――マウラー説とイェーニッヒ説――
4-1 マウラー説について
4-2 イェーニッヒ説について
5 ブルクハルトの年譜とルーベンス草稿
6 1874年の芸術史講座開講の辞
7 『ルーベンス回想』の執筆について
8 ブルクハルトのルーベンスへの旅
9 1882年のペルガモン祭壇彫刻との出会い
10 『ルーベンス回想』の分析
10-1 建築家ルーベンス
10-2 構図について
10-3 寓意画について――神話画にも目を向けて――
10-4 肖像画について
10-5 風俗画について
10-6 動物画について
10-7 景観画について
11 ルーベンスの手紙二通
12 ルーベンスの外交活動
文献一覧
ブルクハルトの全集、書簡集、ケーギの『ブルクハルト伝』(略号もつけて)
欧語文献
邦語文献
あとがき
ドイツ語による目次内容
人名索引
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