分類 > 社会
地域研究の課題と方法[理論編]
アジア・アフリカ社会研究入門
A5判・254頁・定価2750円(税込)
2006年09月発行
ISBN978-4-8301-1083-2
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
北川隆吉監修/山口博一・小倉充夫・田巻松雄編著
グローバル化の波が「周辺」へ伝わっている21世紀。経済でも政治でも今後中心となり注目を集める地域はアジア・アフリカであることは間違いない。アジア・アフリカ地域研究の発展・拡大をめざし各地域の特徴と問題を明確にした。【実証編】への知識。
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目次
刊行の辞――アジア・アフリカ地域研究の発展・拡大をめざして――
はしがき
第T章.「アジア」概念の歴史的成立と変容
―― 近現代日本のアジア認識 ――
【山口博一】
はじめに
第1節 日本とアジア
1.脱亜の方向
2.日本帝国の興隆と没落
3.日本の戦争責任とアジア
第2節 植民地インドの世界認識―― ガンディーの場合
1.ガンディーの村落復興思想
2.第二次世界大戦とインド
3.インド撤退要求
第3節 21世紀にかけての日本とアジア
1.日本の対米関係と対アジア関係
2.政治的手段と軍事的手段
3.アジアの民主化と日本、アジアの貧困解決と日本
第4節 21世紀にかけてのインドと途上諸国
1.第三世界とその矛盾
2.ガンディー思想と現実
3.アジアとの共存の道
第U章.文献解題と基本的視座の提起
【田巻松雄】
はじめに
第1節 地域研究に関する文献解題
第2節 地域研究と隣接する関連分野の文献解題
第3節 地域研究の基本的視座―― 比較と問題意識
1.比較の視点
2.問題設定アプローチと問題意識
3.「近代性」と日本人に固有な問題意識
第4節 地域研究と理論
1.開発経済学と開発モデルの構築
2.従属理論・世界システム論の地域・世界認識
おわりに
第V章.アジア・アフリカ地域の特徴と問題性
第1節 東アジアの特徴と問題性
【首藤明和】
1.東アジア地域へのアプローチ
――「アジアのなかの日本・日本のなかのアジア」という立ち位置からの考察
2.東アジアの特徴と問題性
―― 東アジアと日本の関係性にたいする問いかけから明らかになるもの
3.東アジアの特徴とその問題性の克服に向けて(1)
――「越境」と「比較」の視点から
4.東アジアの特徴とその問題性の克服に向けて(2)
――「社会」と「市民社会」の関連から
第2節 東南アジア:地域研究、地域概念、研究方法論
【北原 淳】
1.はじめに:地域研究の政策目的と学術成果との距離
2.地域研究の方法と対象としての「地域」
3.東南アジアの地域的範域
4.東南アジア地域社会の構造的特徴
5.東南アジアの地域研究の問題点:理念と現実の間
第3節 中央アジア・南アジア・中東
【清水 学】
はじめに
1.中央アジアと南コーカサスの独立
2.植民地主義と「民族国家」
3.独立中央アジアと南コーカサス諸国の課題
4.中央アジア市場経済化のプロセスと結果
5.イスラーム復興と政治的イスラーム運動
6.アフガニスタンが果たした役割
7.ソ連型「社会主義」とは何であったのか
第4節 中東
【加納弘勝】
はじめに
1.地域と地域概念
2.中東地域とヨルダンにおけるザカートの徴収と配分
―― 福祉サービスの提供
3.アジア地域に移植されたザカートとローカルな場における変容
4.ヨルダンにおける福祉サービス提供をめぐる2つのイスラーム組織と国家関係
おわりに
第5節 アフリカ:多様性の中の一体性と課題
【小倉充夫】
1.「アフリカ問題」と世界的課題
2.アフリカという地域
3.アフリカの一体性
4.アフリカ国家の役割
5.問題の継続と新たな展開
第6節 ラテンアメリカの歴史と特性
【三澤健宏】
1.植民地時代―― 16世紀〜1820年代 ――
2.独立―― 1820年代 ――
3.カウディーリョの支配とイギリス商業の浸透―― 1820〜1880年代 ――
4.地主・商人オリガルキーと輸出拡大期―― 1880年代〜1930年代 ――
5.ポピュリズムと輸入代替工業化―― 1930〜1940年代 ――
6.冷戦とキューバ革命―― 1945〜1970年代 ――
7.軍事体制と独裁の成立―― 1970〜1980年代 ――
8.民主化・中米紛争の解決―― 1980年代 ――
9.構造調整と貧困―― 1980〜90年代 ――
第W章.アジア・アフリカ社会理論の系譜
第1節 グローバル化の中での都市と農村
―― 開発と市民社会化、文化変容との交差 ――
【鈴木規之】
はじめに
1.アジアにおける都市と農村の研究
2.スリチャイ・ワンゲーオの問題意識
3.東北タイ農村における開発と市民社会
4.タイにおけるジャパナイゼーションのプロセス
おわりに
第2節 民主化と「市民社会」(civil society)
【遠藤 貢】
本節のねらい
1.民主化と「市民社会」:理論的考察
2.移行局面におけるアフリカの「民主化」と「市民社会」
3.民主化のその後
4.ザンビアの事例
第3節 アフリカにおけるジェンダー研究とその展開
【セハス・モニカ】
1.研究対象としての女性とジェンダー
2.アフリカの女性―― ジェンダー研究のテーマ
3.アフリカにおけるジェンダー研究
結びにかえて
索 引
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