分類 > 社会
それでも、「信頼」の可能性を問う
早稲田大学文学学術院 総合人文科学研究センター研究部門
A5判・163頁・定価2640円(税込)
2018年11月発行
ISBN978-4-8301-1311-6
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
「現代日本における『信頼社会』再構築のための総合的研究」編
現在、「信頼回復」という言葉が響き続けている。もちろん、この言葉が語られなくなる日は来ないであろう。本書は人文学の観点から、「信頼」をキーワードとした学術研究の成果をまとめたものである。「信頼」という言葉にもう一度向き合ってもらえれば幸いである。
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目次
はじめに
〈信頼と社会学〉
第一章 リアリティの分断と不信―信頼の可能性に向けて(草柳千早)
はじめに
一、信頼の諸相
二、システムへの信頼をめぐる現代日本、その日常生活における不信の表明をめぐる困難
三、システムに不信を抱く/抱かないこと
四、不信をめぐるリアリティの分断
五、不信を抱く者の苦境
六、不信の社会的重要性
第二章 信頼とライトノベル―ギデンズのルーティン論を中心に(竹中均)
一、社会学者ギデンズの信頼論
二、ルーティンと実践的意識への注目
三、普遍的ではない本質
四、「違背実験」からみえてくるもの
五、存在論的安心の形成
六、時間と空間のコンテクスト
七、「ぼっち」のロジカルシンキング―あるライトノベルの事例
八、信頼に対する二つの態度
九、ルーティンとしての出身地
第三章 システム信頼のゆくえ(山田真茂留)
一、人間への信頼とシステムへの信頼
二、日本的信頼の理念型
三、信頼現象における人格性と非人格性
四、ゆらぐシステム信頼
〈信頼と障害学〉
第四章 「信頼社会」を超えて―多様な生を棄損しない社会のありかたをめぐる試論(岡部耕典)
一、「信頼社会」の射程と限界
二、「信頼」から排除される者たちと「変形力のある包摂」
三、多様性を担保する社会の存立様式
四、「生の無条件の肯定」と「配慮の平等」
五、「弱さを絆に」と「サバルタン対抗公共性」
六、「感情公共性」と「変形力のある包摂」
七、〈信頼〉の本質主義と〈社会〉の「自律神話(autonomy myth)」を超えて
〈信頼と心理学〉
第五章 女性の財産犯にとっての信頼とは(藤野京子)
はじめに
一、家族を支える収入が得られなくなつたので窃盗に走ったAさん
二、置き引きでパチンコ代を工面するBさん
三、弱みを見せられずに転落したCさん
四、安定した就労ができるまでと言い訳して万引するDさん
五、オークション狂いで会社の金を横領したEさん
まとめ
〈信頼と文学〉
第六章 歓待としての詩―和合亮一の震災後の詩の営み(堀内正規)
第七草 クリスタ・ヴォルフの『天使の街もしくはフロイト博士のコート』について(松永美穂)
一、現代史のなかで翻弄される作家―クリスタ・ヴォルフの場合
二、『天使の街』という作品
三、作品はどのように受けとめられたのか?
第八章 演出者としての里見ク―ト書きへの加筆修正をめぐつて(宮本明子)
はじめに
一、「信頼」の基点
二、明細なト書き
三、鎌倉文学館所蔵 里見ク関連資料調査結果
おわりに
〈信頼と哲学〉
第九章 「信頼回復」という問題(御子柴善之)
はじめに
一、「信頼」概念を限定する
二、信頼の価値を考える
三、「信頼回復」の要件を考える
おわりに
おわりに
執筆者の略歴一覧
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