分類 > 歴史・地理・環境・文化
山口弥一郎のみた東北
津波研究から危機のフィールド学へ
A5判・210頁・定価2640円(税込)
2022年02月発行
ISBN978-4-8301-1325-3
在庫: 有 ※ 2023年11月現在
内山大介・辻本侑生著
福島県の会津に生まれ、教師として暮らしながら東北各地で地理学や民俗学の研究を行った山口弥一郎。東日本大震災後に著書『津浪と村』が復刊され、その名は広く知られることになった。一方で山口は戦前の炭鉱研究や昭和初期の東北に頻発した凶作に関する調査、戦中戦後の動乱期に翻弄される農村を記録する取り組み、戦後のダムに沈む村の調査など、同時代における様々な地域社会の問題に向き合い続けた。本書では、山口が残した膨大な旧蔵資料を手掛かりにして、その人生と学問の軌跡を追い、災害多発時代を生きる我々にとっての学問の意味を考える。
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目次
序章 本書のねらい
一 学問との出会い
(1)新鶴村の生家と学生時代の山口弥一郎
(2)炭鉱集落研究と田中館秀三への師事
(3)柳田国男との出会い
(4)高木誠一と磐城民俗研究会
(5)戦前期の学校教育と民俗学実践
二 学問研究から現実の問題への対応へ―東北を襲う津波と凶作―
(1)津波常習地の調査研究―『津浪と村』のつくられ方―
(2)未刊の『凶作と村』と学際的視点の醸成
(3)政策提言に向けた取組―人口問題研究会への参画と『東北の村々』―
(4)『東北の焼畑慣行』と焼畑実践の失敗
三 戦中・戦後の農村に暮らす―「寄寓採録」と「帰郷採録」―
(1)岩手・北上での「寄寓採録」
(2)会津での「帰郷採録」と家庭内問題
(3)ふたつの「採録」とその成果
(4)「農村随想」にみる戦後農村へのまなざし
(5)挫折・葛藤とその帰結
四 学校教育と郷土研究
(1)教職への復帰と「社会科」への意欲
(2)高校生とのフィールドワークと僻村・廃村へのまなざし
(3)田子倉ダムの建設と「奥会津田子倉生活調査」
(4)農村の青年教育と生活改善
五 文化財の保護と後進の育成
(1)東北地方農村生活研究所の開設
(2)文化財行政と自治体史編纂
(3)地域学会の牽引と共同調査
(4)山口のもとに集う地域の研究者たち
六 大学教育と研究の集大成
(1)津波研究の集成と博士号の取得
(2)大学教員への転身と海外への関心
(3)シルクロード研究と底流する生命観への関心
(4)研究の集大成、そして再び東北の地へ
終章
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